今日帰ったら、子供達には何を作ってあげるんだい?
料理には手を抜きたくないからと言った時の、あなたの母親そして妻としての顔。
素敵です。
結婚し、子供を生み育て上げたあなたの小さな手。
少し皺が入っている、大人の手。
責任を果たした、大人の女性の手。
小さくて、か弱く見えるけど、実は強い手。
握ったら握りかえしてくれたね。
さあ早く帰って。子供達が待っているよ。
抱き着かないで。キスしないで。
俺はいつもここにいるから。
一緒に見た絵画、公園でのキャッチボール。
噴水の前で食べた菓子パン。
なんだっていいんだ。あなたと一緒なら。
さあ手を繋いで一緒に帰ろう。
そしてあの階段でしばしお別れだね。
急いで家に帰ろう。足下気をつけて。
俺よりも年上なのに、そそっかしいところあるから心配だよ。
そんなあなたが、行き先の違う列車に乗り込むのを、俺はゆっくりホームで見届ける。
なんて言っているの?「またね?」「バイバイ?」
わからないよ。
列車が出てしまったあと俺は、手にしているiPodのチャンネルをまさぐる。
日常に戻る瞬間。
曲はthe strokesの「12:51」。
次に逢う一日は、どんな天気になるのかな?
- From:ゆきお
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- Date:2006/05/08 00:32
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