あなたの家族でいられるあのひとがうらやましい。
あなたと毎日一緒にいられるあのひとがうらやましい。
あなたと一生、生きていけるあのひとがうらやましい。
あなたの子供を産んで、あなたと育てていけるあのひとがうらやましい。
わたし、すぐにそんなことを考えてしまう。
同じ女なのにどうして?
わたしだってあなたを愛しているのにどうして?
どうしてわたしだけが、ひとりでひざを抱えているの?
ひとりで過ごす夜。
あたまに浮かぶのはそんなことばかり。
神様、どうか時を戻せたら。
わたしを先に会わせてください。
奥さんよりも、誰よりも誰よりも先にあなたを見つけさせて。
いつかあなたと。
そんな願いが、いつからかそんなものに変わってしまったね。
神様なんていないから、わたしの願いはかなうはずもない。
それでも願わずにはいられない。
だって、今のわたしにできるのはそれっぽっちなんだもん。
だから、全部神様のせいにして。
あったかいコーヒーを飲んでも、毛布にくるまっても、寒いよ。
あのひとはいいなぁ・・
今日も明日もあさっても、ずっとずっとあなたといられるんだから。
そんなことを考えていたら、涙がこぼれた。
あのひとといるあなたを、こんなにもこんなにも好きなわたし。
ちゃんと恋をしているのに。
あなたがふたりいたらなぁ・・
おでこを膝につけて泣いた。
泣いて泣いて、またそんなバカなことを考えるの。
いつまで一緒にいられるのかなぁ・・
ぼんやりと、そんなことを思って、あのひとがまたうらやましくなった。
顔をあげて目をあけると、涙でにじんだ瞳に、ひとりきりの凍るような空気がしみて、あなたのいる家とは全然違うんだろうなぁ・・って考えたら少しおかしくなった。
むなしくて、切なくて、悲しくて、笑いながら泣いたんだ。
今日は、そんな夜。
明日は、あなたに会えたらいいのに。
- From:莉々
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- Date:2006/03/1711:07
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