「どこか遠くへ行きたい」と、わがままを言ったの。
誰も知らない場所では、普通の恋人同士。
手をつないで歩く街並や、肩を寄せて見上げる夜空に憧れていたの。
ずっと夢に思っていたの。
いつも隠れるようにして、ふたりで会っていたから。
同じ景色を同じように感じて、
今ふたり、ここで生きていることを知るの。
ひとつの瞬間を分け合って、通い合う気持ち。
誰が見ても、普通の恋人同士。
あなたを私のものにして。
私もあなたのものになりたい。
叶わないこと分かっていても。
錯覚してしまうくらい、
今ふたり、自然な恋人同士。
この時間が永遠に続けば・・・
そして、あなたと迎えた朝。
人生で指折り数えるくらいの出来事。
危険なこと、忘れるくらい恋したね。
両手の指では足りなくなるくらい、
あなたとの思い出、重ねられたら・・・
明けてく空も、朝陽も、
憎らしいくらいまぶしく、ふたりを照らしてる。
そしてまた、
太陽の下では縮まらない、ふたりの距離。
何事もなかったように、別の道を歩いていくの。
暑くて、息苦しくて、
もうきちんと、前を見ることもできないの・・・
- From:あずき
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- Date:2006/07/06 15:42
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