あの人からの電話はない。
自分に気があると確信したから遊んでみただけなのだろう。
優しい顔して、優しいフリして、紳士の感じで。
私が心地よく受け取っていたあの言葉遣いでさえ、
私に距離をおくための手段だったのかと思えてくる。
私をこれ以上近づけないための。
都合のよろしいときにひょっこり電話などよこして、
何事もなく当日の約束事など話すのだろう。
そしてきっと会うとにこやかで、
また例の如く紳士の感じで、優しく楽しく振舞ってみせるのだろう。
さらにきっと別れるのは寂しいと 、
私の好きなその子犬のような目で私を見てやって言い放つのだろう。
必ずきっと、私を抱く。
その確信を武器に。
私はあなたをキライになる。
そんな無常なあなたを許さない。
もうどこへも一緒に行きたくない。
電話もかけたりしない。
電話がかかってきても出たりしない。
こうして私は守れないことばかり心で叫ぶ。
あなたをこんなに好きで苦しい。
あなたに早く愛されたい。
- From:エムエム
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- Date:2006/08/05 12:15
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