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馬鹿みたい

あなたと過ごしたお正月の7日間。
私は本当に本当に幸せだった。

こんなに長い時間、あなたといたことはなくて、
私はもう本当に舞い上がっていた。

でも、少しずつ何かが違っていた。
少しずつ少しずつ、私は不安になっていった。

あなたの当たり前の日常を、
私はわからないから、期待に応えられなかったり、
うまくできないことがあったりする度に、
心の真ん中にぽとん、ぽとんと水滴が落ちるみたいに、不安が広がる。
なにか注意される度に、どんどん卑屈な心が生まれてくる。

「奥さんなら、こうじゃないって思ってるんでしょ?」

奥さんなら、きっとこういうこともうまくできたり、
彼を困らせることだってないんだ。

勝てるなんて思ってない。
はじめから勝負にならないこともわかってるし、
したいとも思わない。

十分にわかっているのだから、
思い知らせないで。

「うちの奥さん馬鹿にしないでね」

冗談めかしていたけど、
本心でしょう?

私、馬鹿になんてしてないよ?
そんなおこがましいこと
一瞬だって考えたことないよ?

むしろ、
馬鹿にされるのは私のほうだ。

振り向いてもらえない、
望みのない人を好きになって、
選んでもらってもいないのに、
会えただけで喜んで。

馬鹿にされるのは、私のほうだ。

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