私とあなたの間には、「形がない」。
そう言った私にあなたはペアリングを買ってくれた。
私と逢うときは、いつも左手の薬指の結婚指輪を外して、
右手の薬指に私とのペアリングをつけて…
今日あなたは、左手の薬指に結婚指輪をしたまま、
右手の薬指の指輪をつけるのを忘れて、私に逢いにきた。
これが現実なんだよね。
わかってた。
「目に見える形」
それすら私とあなたの間には存在しないこと。
ペアリングなんて、何の意味すら持たないこと。
どうして同じ指輪でも、こんなに重みが違うのだろう。
どうしてこんなことだけで、私は哀しくて仕方ないんだろう。
どんなに時を重ねても、唇を重ねても、体を重ねても、満たされない想い。
あなたとあの人の間にある「形」は、結婚指輪だけではないんだよね。
- From:シオ
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- Date:2006/04/13 13:47
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