夫の浮気が発覚した際、「自分も恋人がいるからお互い様」と感じてしまった相談記録です。お互いの浮気を黙認し合う「仮面夫婦」という状態を選んだ夫婦の心理と、その後の夫婦間のコミュニケーション、そして関係性を継続させるための心理的葛藤を分析します。
【相談者】crea
皆さんの旦那さんは浮気をしたことがありますか?
私には彼がいます。
旦那の浮気が発覚したときは、ハッキリ言ってお互い様だ!と思ってしまった悪い女です。
旦那のことは嫌いじゃないので、発覚したときも、いろいろ問い詰めたりもしました。でも旦那は、自分のことは棚に上げ、逆切れし、私にいろいろ文句言ってきました。旦那は家を出て行くとまで言いましたが、結局 旦那の親も話し合いに加わり、子供も居るので元のさやにおさまりました。離婚しても生活していけないし…そう思ってしまった嫌な女です。
でも、1度出来てしまった夫婦間の溝はそう簡単に埋まりません。
私も自分のことは棚に上げてしまってる自己中な女ですが、彼のことは決してバレてはいけないと思っているので、証拠を残すようなことは絶対しません。旦那は「女はだめだ!」とよく言います。私が夜出かけて少し遅くなると、『本当は何処いってたの?誰と一緒だったの?』など、いろいろ聞いてくるんです。
私は「そんなに信じられないん?」と怒りますが…そんなこと言った次の日に、旦那は都内ホテルのお勘定書とカード支払いの明細を仕事のカバンにしまい忘れていました。見つけるつもりは無かったのに…『今着いたよ~。これから寝ます』とメールしてきてたくせに、また浮気です。
でもね、その発見をしたことは言わないの。今までもいくつか発見してるんだけど言ってない…自分も恋してるから…。
仮面夫婦でお互い恋人が居て…それでいいの。男の人ってレシート残したり何するにしても裏をとってなかったり、不器用なの??それともうちの旦那がおかしいの??浮気するならバレないようにして!それが思いやり…だと思うんだけど。
旦那の心理がわかりません。こんな夫婦…いないよね??みなさんが私の立場だったらどういう行動とりますか??
💬 読者からの見解と感情の整理

この複雑な相談に対し、読者からは主に「旦那の心理」の分析と、「仮面夫婦」という選択肢への共感が寄せられました。
男性の行動心理と「不器用さ」
- 不器用さの指摘: 多くの読者は、夫がレシートなどの証拠を残してしまう行動を「不器用」「女みたいに密かに証拠集めができない」という男女の心理的な違いに帰結させています。
- 男性側の反論: 読者の男性は、自身が「細心の注意を払っている」「後輩を利用し裏工作をしている」と弁明し、証拠を残すかどうかは個人差があることを指摘しました。同時に、「奥が(浮気)してくれてるほうが安心かも」と、ある種の黙認の心理を吐露しています。
仮面夫婦という選択肢への共感
- 現状維持の選択: 相談者が「離婚しても生活していけない」という現実的な理由から仮面夫婦を続けることに、読者からは「私だったら同じように仮面夫婦でい続けるかも」「子供としがらみのために、形だけ夫婦、結構いると思う」と、生活基盤の維持を優先する現実的な選択への共感が集まりました。
🌷 相談者のその後の気持ち(記録より)
レスポンスを受け取ったcreaさんは、夫が帰宅した夜、証拠を示して真実を問い詰めるという行動に出ました。
問い詰めと夫婦間の力学
- 夫の反応: 夫は当初とぼけていましたが、証拠の数々に最終的に浮気を認め、「自分は遊びだ」と言い切りました。そして、浮気の原因を「おまえもメールとかして遊んでるんだろ?」と相談者側に転嫁する発言をしました。
- 結論と自重: 相談者は「子供も居るし離婚する気は無い」と改めて伝達し、夫も別れる気はないことを確認しました。話し合いは決着しませんでしたが、感情を吐き出したことで「言いたいことは言った」という区切りをつけました。
- 今後の行動: 読者からの「しばらくは辛いけど、自重しておいた方がいいかもね!」というアドバイスを受け、今後は自分の恋人の件が発覚しないよう、しばらくの間おとなしく過ごすことを決意しました。
💡 運営者による洞察:夫婦間の「互いの免罪符」という機能

この相談は、夫婦が互いの倫理的な逸脱を黙認することで、家庭というシステムを維持するという、非常に特殊な機能不全状態を分析するものです。
1. 「お互い様」の心理と暗黙のルール
夫は自身の行動を正当化するため、妻が「遊んでいるだろう」と投影し、その疑念を逆ギレの形でぶつけています。これは、「俺もやっているんだから、お前もやっているだろう。だからチャラだ」という、暗黙の免罪符を互いに与え合い、夫婦としての均衡を保とうとする自己防衛的な心理です。
この均衡は、「家庭を壊すという決定的な行動に出ない限り、互いの領域には踏み込まない」という、夫婦間に新たに設定された暗黙のルールとして機能しています。このルールがある限り、夫婦関係は「共同生活者」として形式的に維持されます。
2. 旦那の「不器用さ」と安心感
夫がレシートなどの証拠を残してしまう行動は、単なる不注意や不器用さだけではない可能性があります。
- 無意識のメッセージ: 夫は無意識のうちに、妻がそれに気づくことを期待し、安心している可能性があります。妻が気づいても追及しないという事実は、「妻も後ろめたいことがあるから追及できない=離婚のリスクがない」という夫側の安心材料となり、夫婦間の均衡をさらに強固にします。
- 自己肯定感の回復: 夫の「女はだめだ」という発言や逆ギレは、妻の問い詰めに対して、家長としての地位と自己肯定感を回復させようとする防衛的行動であり、浮気そのものよりも、夫婦間のパワーバランスを支配しようとする試みです。
「仮面夫婦」という選択は、互いに寂しさを別の場所で満たしながら、「子供と生活の安定」という最も重要な共通目標を優先するための現実的な意思決定です。この均衡を破らないためには、相談者が決意した通り、夫の領域には二度と踏み込まないという自制心が不可欠となります。


