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日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」の詳細

日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」
日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」
有馬 哲夫
新潮社
グループ:Book / ランキング:79771
価格:¥ 1,575
ポイント:15 pt
発売日:2006-10-17 / 通常24時間以内に発送

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カスタマーレビュー

おすすめ度:おすすめ度

「テレビ放送の父」の実像 おすすめ度 (2008-07-14)
その扇情的な題名からは、安手のスパイ小説のようなおどろおどろしい話を想起させる向きもあろうが、本書の視野はもっと遠大なものである。

CIAの後押しを受けて、正力松太郎が当初ぶちあげた計画は「テレビを含む国際通信のためのユニテル・リレー網計画」であった。すなわち、テレビに留まらず、地域ラジオ、軍事ファクシミリ・テレタイプ、天気図などデータ放送、警察無線、列車通信、航空・防空管制など、主に軍事的目的に利用されるマイクロ波通信網の建設だったのである。日本を極東における「反共の砦」として機能させようというアメリカの世界戦略に乗る形で、正力の日本テレビ創業計画は進められていった。


正力の背後に見え隠れする「黒幕」たち=ジャパン・ロビーの多種多様な人脈を丹念に炙り出していく前半は、説得的ではあるが、やや単調。しかし日本テレビ開局をめぐって、正力をはじめ、吉田茂、犬養健、佐藤栄作、池田勇人、梶井剛、重光葵など政官財の大物たちの思惑が交錯し、彼らが権謀術数の限りを尽くして熾烈な権力闘争を繰り広げる様を活写する後半は非常にスリリング。


ただ、それも所詮は「コップの中の嵐」で、アメリカの掌の上で踊らされていたのかと思うと、少し虚しい。
どうでもいいですが。 おすすめ度 (2007-09-12)
日本テレビ専務取締役だった柴田秀利の「日本テレビ放送網のリレー式マイクロ通信網建設を目的とした世界銀行からの借款工作」(1953)の裏幕を公文書図書館の未公開ファイルから読み解いていく内容かと想像していたのですが、意外と面白い。正力事件を取り上げている本では猪瀬直樹の『欲望のメディア』がありますが、本書は柴田自身による『戦後マスコミ回遊記』に登場した人物達の経歴や思考癖といった部分から説明され、読みにくい面はありましたが理解と興味が深まりました。

特に1952年12月に正力自身が参考人と出席した衆議院通信委員会から1953年半ばの柴田の帰国までに行われた正力側の政界工作の実相は独立したものではなく、事前に行われていた内容の続きであり、かつ、国務省を含めたサイコロジカル・ウォーフェアーの一環としてアメリカの資金と人間が費やされたとするこれまでの多くの見方を裏付ける内容で、前述したように読みづらかったですが面白かったです。その反面、公社からの猛烈な反対工作がどのように日米政界に働きかけられたのかについては、正直なところ腰砕けの印象があります。

あとそれまで国防総省に嫌われたCIAがサイコロジカルの後継者として立場を確立したというのがメッセージとしたら、今回の騒動は「利権構造史観」が大好物の人たちを萌えさせない印象ですけどどうなんでしょう?どうでもいいですが。

正力騒動について書かれた本は個人的な好き嫌いは抜きとしても、官僚批判とその反語としての正力のフェアプレー精神というか天晴れな心意気を誉めているのですが有馬先生はそういう感じではなさそうですね。これも、どうでもいい事ですが。
これを題材とすれば、傑作小説ができると思うのだが・・・ おすすめ度 (2007-02-11)
 正力については、関東大震災時「朝鮮人が井戸に毒を入れた」と喧伝した男として以外詳しくは知らなかったが、新聞の住み分けを毎日・朝日と約束しておきながら、一方的に反故にしたり、CIAのイヌとして日本を反共の砦とすべく、レーダー・航空機管制利用可能なマウンテン・トップ方式により日本の電波通信施設を掌握せんがために、電電公社・吉田首相の両者に利益があるように欺き、首相の座をも狙い、初代原子力委員会委員長・科学技術庁長官となった後には、自身の読売新聞・日本TVを動員し世論を原発導入へと誘導していくさまを見ていると、なんと醜い!との言葉しか出ない。
 そして、彼を取り巻く日米両国の政争を含めて、現在も連綿と続くメディア戦略の基礎となった日本TV設立をめぐる顛末は、本書のような“記録”ではなく、小説や映画として広く知られ、同様の“戦略”にはめられぬよう1つの教訓とすべき出来事である。
 登場人物も多く、何度か前に戻って読み返す場面もあったが、各地に点在する膨大な資料を集め、取材をしまとめあげた著者に敬意を表したい。
 それでも米公文書の、現在の政権・企業・・個人の活動に影響するものは、公開できないルール(それでも日本のルールよりは、格段に公開されているが)の前には、著者としてもCIAによる自民党への献金など更なる闇を追及する術は封じられ、真の全貌は残念にも明らかにできないと知っておかねばならない。

「民主主義の代償は、永遠に監視を続ける事だ」ー米・国立公文書館の銘
放送と通信は軍事と密接な関係がある おすすめ度 (2006-12-19)
著者は早稲田大学教授。米国にて正力ファイルを発掘し、公式には発表されていない日本テレビ設立の経緯を公表した。ただし、どこまでが資料で、どこからが著者の推理なのか、の区分けが明確でないため、今ひとつ、理解しにくいのでマイナス1点とした。本書に興味を持った方は岩波文庫から出ているW.リップマンの「世論」をあわせて読まれることを勧める。日本初の民間テレビ放送はCIAからお金と技術が提供され、CIAの意向に沿った番組が放送されたという認識を持つとテレビ局の本質が見えてくるのではないだろうか。
米国の反共活動の全貌を描く。 おすすめ度 (2006-10-31)
日本テレビ放送「網」、という社名。日本初の民間放送はもともと米国の極東反共政策の要衝=テレビを含む国際通信のためのネットワークの一部として機能する筈だった・・・。

終戦直後の日本で、放送事業を興すにあたり米国の全面的なコントロール下にある必要があったことは想像に難くありませんが、本書は日本テレビ対NHKといったミクロの視点ではなく、米国の世界的な反共活動というマクロな視点で「日本のTV放送事業」というものがパズルのピースとしてどういう風に組み合わされるか、を描きます。

当時の日米政財界要人・オールスターキャスト出演。吉田茂・正力が描こうとした絵・米国ジャパンロビーが描こうとした絵が微妙な齟齬を見せつつ、日本テレビが誕生する。結局、米国側が描いた通りにはなりませんでしたが、放送事業開始に向けての凄まじいまでの権謀術数が、現代では想像もつかない当時の「赤化」への恐怖を生々しく描いていて興味深い。また、吉田茂が正力を「潰し」に行く経緯など当時の国内政治情勢も迫力の筆致で描いている。

驚天動地の新事実、とは言いませんが、興味深いノンフィクションでした。

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